相談相手を選ぶ4つの基準【書籍紹介】insightインサイト

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仕事の悩み、恋愛の悩み、いろいろとありますが誰に聞けば一番いい回答を得られるのかわからない。

そんな方のために、今回は上記の書籍を使って相談相手を選ぶ基準を紹介したいと思います。

すぐに知りたい方は目次をタップ!

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書籍紹介:insight(インサイト)

著者:ターシャ・ユーリック(組織心理学者)

組織心理学ってなに?
ざっくりいうと会社とか組織っていう、すごく特殊な環境で起こる人間の行動を研究する心理学

たとえばあなたが海外に行き、自己紹介してと言われたら自分のことを「日本人」というでしょう。

しかし大阪などへ旅行へいき、どこから来たのと聞かれれば自分のことを「東京(の人)」といいますよね。

つまり人は、今属している集団や相手によって自分の考えや行動(自己認識)が変わるんだよ、という話をしています。

へぇ~っと思いますよね。そんな面白い研究をしている人が書いたのがこの「insight」です。

インサイトとは、直訳すると「物事を見抜く力」のこと。そしてそのコツは、内省を減らして気づきを増やすことなんだとか。(P445)

つまり、反省する時間を減らして気づきを増やすことがインサイトにとって重要だというわけです。

サブタイトル:今の自分を正しく知り仕事と人生を劇的に変える自己認識の力

どうやら自己認識の力があると人生を劇的に変えることができるようです。

でもその前に自己認識の意味がわからない!と思ったら本に書いてありました。(P15)

自己認識(セルフアウェアネス)とは?

自分のことを正確に理解する力。自分が何者で、他人からどう見られていて、何が得意なのを理解する能力のこと

ちなみに自分に考えることと、自分について知ることは違うとも指摘しています。

でも人生が劇的に変わるってどのくらいなの?

デザイナー志望の学生が、バーバリーのCEOになってしまうほどの変化です(p143)

すごいですよね。本の中ではこの出来事が書かれています。

ファッションについて語ることはできるが生み出すことができなくて悩んでいる学生に、教授は「それはお前が商人だからだ」と話しました。

がんばっている学生にずいぶん酷い話と思ったら案の定、2つのグループに分かれました。

1つは商人と言われて怒ったグループ 、もう1つはそれを謙虚に受け止めて自己認識をしたグループでした。

その後自分を正確に理解した学生の一人がバーバリーのCEOにまでなったというのです。

確かにすごい話です。…が、ちょっと待ってください。

今回は正しかったかもしれませんが、教授が間違っていた可能性はないのでしょうか?

 参考:中田敦彦さんはこう言っている

天才の証明(p32)

  • アドバイスも自分の意志で選択をする
  • 他人の意見は聞きすぎなくていい
  • 助言に対して違うな、と思ったらありがたくても受け流す

そうですよね。私もそう思います。

では一体どんな人のアドバイスを聞き、どんな人のアドバイスを受け流せばいいのでしょうか?

この本ではきちんと説明してくれています。

誰に相談すればいい?

アドバイスを聞いてはいけない人

愛のない批判者(p272)
なにを言っても全て否定する人(恨み、嫉妬、理不尽な上司などに多い)

無批判な熱愛者
なにを言っても全て肯定する人(八方美人、親、恋人に多い)

このパターンの人間は、考えがかたよっているので相談すべきではないとしています。

アドバイスを聞くべき人

愛のある批判者(p276)
こちらを思って正直に話してくれる人(もしかしたら普段は嫌な奴と思っている人物かも?)

愛のある批判者が見つかったら次の4項目を満たしているか考えましょう。

相談相手を選ぶ4項目

①自分のために時間を使ってくれる・相談に乗ってくれる人
(言葉だけでなく行動が伴う)

②相手に語るだけの経験データを持っている人
(専門知識がある・そのジャンルに詳しい)

③過去に厳しい意見を言ったことがある人
(残酷になれる人・気まずくなると分かっていても本当のことを口に出せる意思のある人)

④直感も大切その人が言ってる言葉がしっくりこなければやめておきなさい

この4つの条件を満たす人が相談相手にふさわしいというわけです。

特徴を満たした人が見つかったからといって安心するのはまだ早い!

的確な答えが得られる質問法

条件を満たす人がいても、具体的な質問ができなければ的確な答えはもらえません。

的確な答えはあなたの質問力にかかっているというのです。(p277)

筆者は「私の仕事ぶりについて意見を聞きたい」と質問したところ「メイクの色が間違ってるんじゃない?」という珍回答をもらったそうです。

いや、そうじゃなくて…。と思ってしまいますが、相手が質問をどう受け取るかはわからないのです。

そこで、次のブロックでは相手に伝わりやすい質問方法を紹介していこうと思います。

クローズドクエスチョンを使ってみよう

クローズドクエスチョンとは: Yes No で答えられる質問のこと。反対に答えが複数あるものはオープンクエスチョン

「私が今やってる事務の仕事ってどう思います?」と質問されても何を求めているのかわかりません。

それよりも「今の仕事を辞めて飲食店をやりたいのですが、接客業は経験ないし迷っています、あなたはどう思いますか?」と聞かれたほうが答えやすいでしょう。

つまり、イエスノーで答えられるクロードクエスチョンで質問することが的確な答えをもらえるテクニックと言えるのです。

とはいえ、ただ耳を傾けるのではなく本当の意味で聞かなければいけません。(P294)

注意しなければいけないのは、怒ったり逃げたり言い訳、偏見だと決めつけて相手の意見を否定してしまうことです。

どんなに相手がいい答えを出していても、否定すれば商人と言われ怒った学生と同じになってしまうというわけです。

アドバイスをもらったのに行動できないときは?

過去の嫌な出来事を繰り返し思い出してしまったり、どれだけ辛いかに焦点を当てるのではなくそこから何を学び、どう前進できるかに焦点を置くことが大切です。

フロイトの原因論ではなくアドラーの目的論に近い考え方なんですね
参考記事:【課題の分離】アドラーとフロイトの違い

嫌なことを思い出したら「なぜ」ではなく「なに」と考える

※内省=過去の嫌な思い出、反省すべき所

内省を活用するには「うまくやる」ではなく「うまく学ぶ」(p161)

 うまくやろうとする
周囲が見ている中で、うまくやろうとしているのに高得点が出ないと、イライラしたり失敗してしまう。

そして「なぜ」あの時失敗してしまったんだ「なぜ」うまくできなかったんだと後悔を繰り返してしまうのでよくありません。

 うまく学ぶ
周囲が見ていても、どうやったら高得点が出るのか失敗をしながら検証し学んでいく。

「なに」がいけなかったのか「なに」を変えればうまくいったのか。今度はこうしてみようと考えることで同じ失敗を繰り返さなくなる。

たいてい周りはこちらが思っているほど気にしていないから大丈夫!

最後に

この本は500ページほどある厚みのある本のため、今回紹介できたのはほんのごく一部です。

相談相手を選ぶ基準だけについて書きましたがその他にもいろいろな読み方ができるのがこの本の良い所です。

巻末には自己認識やマインドセットのセルフチェックがたくさん載っていてそれをやるだけに購入しても無駄にはならない一冊だと思います。

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