
元彼を忘れられない。だってすごく楽しかったし、幸せだったから…
忘れちゃえば楽になるのはわかるけど、元カレ以上の人には一生出会えないと思う。
別れてすぐ、こんな感情になるのはみな同じ。
しかし、1年たっても過去が楽しく思えるのは、時間が経過することで、実際に起きた事実よりも「思い出が美化」されているからです。

現実は何も変わっていないのに、記憶だけが美化される?
不思議ですが、私達の脳の中では記憶が書き換えられているのです。
なぜそんなことが起きるのか?
記事の中で詳しく見ていきましょう。
※目次をタップすると、好きな見出しに移動できます。
【思い出は美化】元彼との復縁は意外と簡単、だけどおすすめしないワケ
ある研究結果では、60%の確率で復縁はできるといわれています。
しかし、そこから長期間付き合う、もしくは結婚するのは4~6%だけでした。

てことは復縁しても、94~96%は別れてしまう!?
つまり、復縁するだけならば、半分以上の確率で達成できるというわけです。
復縁する方法
別れてからしばらく時間が経過した後で、
●昔にはなかった新しい一面
●以前とは変わった自分を見せる
付き合っていた頃よりも、成長した姿を見せることができば、復縁はほぼうまくいくでしょう。

髪を切るとかではなく、もっと内面的な変化だよ!
ここでのポイントは、しばらく時間が経過していることです。
なぜ、時間が必要だと思いますか?
答えは、時間と共に「寂しさから後悔がはじまる」からです。

具体的にみていこう
たとえば、別れた原因が、男性の浮気だとします。女性もその時は許せなかったでしょうが、いざ別れて寂しくなると、
●あのとき、どうしてあんなに怒ってしまったのだろう
●もう浮気しない、と言ったのに信じない自分が悪かった
と後悔をはじめます。
時間が経っているので、別れたときの怒りはもうありません。

この後悔の状態を「思い出美化フィルター」とします
そんな時に男性があらわれ、「前と違ってずいぶん落ち着いた、精神的に大人になったから、もう浮気をしない」という印象だったらどうですか?
反対に女性も、「前よりも仕事で生き生きしてる、雰囲気が優しくなった」なんて印象を男性に与えたらどうでしょう?
お互い寂しい中で「簡単に復縁できてしまう」というわけです。
ですがちょっと待ってください!
今は「思い出美化フィルター」がかかっていましたね。

復縁した後、後悔の状態「思い出美化フィルター」は必ず外れます!
毎日一緒にいることに慣れると、
後悔のせいで美化されていた記憶は薄れ、現実を直視できるようになるのです。
男性が本当に変わっていれば別ですが、ほとんどの場合、また浮気を繰り返します。
そして、「あの時約束したのに!」と、女性は最初に別れた時と同じ理由で別れを選ぶことになる。
これが、私が復縁をおススメしない理由です。

「思い出美化フィルター」のまま、寂しさから復縁してもうまくいきません!
そして、これをきちんと数値にした研究が、最初にお伝えした、60%の確率で復縁はできる。
しかしそこから結婚するのは4~6%という結果だったのです。

結局は1度目と同じ理由で別れているよ
と、ここまで説明してきましたが、「それでも復縁したい!」という方、思い出美化フィルターについてもう少し説明していきますね。
相手は元彼でなくてもいい、思い出美化フィルター
●「人は未来がみえなくなると、過去にこだわるようになる」
ずっと「元彼が忘れられない」なんて言っていたのに、新しい彼氏ができたとたん「そんな人いたね~」となる。
女性あるあるですよね。
これにはきちんと理由があり、
美化された過去の彼氏ではなく、未来のある現実の彼氏により、過去のこだわりを捨てられた
ことが要因です。
もう少し簡単に説明すると、
新しい彼氏ができると、元彼と別れた寂しさや、後悔から解放される。
その結果「思い出美化フィルター」がはずれて現実と向き合えるようになった
ただし、気を付けたいのは、今彼と問題が起きた時、
脳が記憶の中の「美化された元彼」を登場させて、思い出美化フィルターを復元させてしまうこと。
現実がうまくいかないときに、「元彼ならこんなことしなかった」なんて、寄りを戻そうと考えても、95%はうまくいかないのでやめましょう。

思い出美化フィルターを復元させる人は、記憶が書き換えられています!
【思い出は美化】元彼を美化してしまうその理由
ハーバード大学の心理学教授、ダニエル・L・シャクターは「記憶と脳の7つの謎」という本で記憶のエラーは7つあると書きました。
①物忘れ②不注意③妨害④混乱⑤暗示
⑥書き換え⑦つきまとい
思い出が美化されるのは、この中の「書き換え」に当てはまるとしています。
シャクターによれば
今思っている感情にあわせて、人は無意識に過去の経験(記憶)を書き換える
↓
実際には起きていない内容に、記憶が書き換えられる
というのです。ちょっと難しいですね。
では、「無意識に過去の記憶を書き換える」とは一体どういうことなのか、簡単に説明していきますね。
理由①脳は勝手に「記憶を調整」しています
人の脳は「悪い事は忘れ、良い事は正当化する」ようにできている。
人間は無意識に、悪いことを思い出さないよう調整しています。
悪い出来事を忘れてしまえば、当然良い過去しか残りません。
つまり、
付き合っていた時の、悲しかったり喧嘩したりした嫌な思い出は、抑え込まれる。
その結果、楽しい事ばかりを思い出すようになる。
というんですね。
良い事ばかり思い出す調整のしくみ
<過去>嫌な思い出
↓
<調整>思い出したくない
↓
<現在>本当に思い出さない(忘れる)
※残るのは、良い思い出ばかり
つまり、意識的に悪い思い出は消去して、良い思い出だけを残しているだけだというのです。

過去が楽しいと感じる理由は、嫌なことを忘れちゃうから
理由②「記憶の復習」で過去は書き換えられていく
勉強を覚えるためには「1度ではなく、何度も復習した」はずです。
これは思い出にとっても同じことで、覚えた物を思い出すとき、より強く記憶します。
「①記憶の調整」で楽しい事を思い出し、さらに何度も「復習」をする
この復習こそが、記憶の書き換えのメカニズムでだったのです。
最低だと思って別れた彼のなのに、数年たったら笑い話。
これも「書き換え」によるものです。

過去の出来事は変わらないのに、より強く復習することで過去の感情は変わっていく!
つまり、思い出せば思い出すほど、楽しかったことだけを強く記憶してしまう。
楽しかったことを何度も復習するたびに、「思い出は美化」されて復縁したくなるのです。
反対に、すっごく嫌なことを覚えてる?
これもメカニズムは同じです。
嫌な思い出も、インパクトが強ければ、何度も思い出して復習してしまいます。
過去を思い出すときの特徴は
- 「良い思い出」
- 「悪い思い出」
どちらか極端に傾いていることです。

愛情と憎しみは「表裏一体」嫌なことばかりを復習すれば、より強く記憶して憎しみばかりが増すのです
なんでもない日常を思い出せないことからも、記憶が変わっていることは実感できると思います。
元彼を忘れちゃダメ!正確に思い出せることが大事な理由
思い出すほど「思い出が美化」されてしまうなら、思い出さないことが一番効果的。
でも悲しい時って、ふと気づくと元彼を思い出していますよね。
忘れようとするのは逆効果?
「カリギュラ効果」と心理学では言いますが、人には禁止されている事ほどやってみたくなる心理があるのです。
この心理で考えるならば

「思い出してはいけない」「忘れなければ」と思えば思うほど、元彼を思い出してしまうこと!
ですから、無理することなく普通にしていることがいちばんです。つまり、いくらでも思い出していいのです。
しかしここで注意点!思い出すなら
- 具体的に
- 正確に
- 記憶を美化しない
ことが条件です。
正確に思い出す記録術①:紙に書く
思い出が美化されていないか、確認作業をしてみましょう。
なんとなく。ではなく、はっきりとした事実を確認することで、過去に戻りたいという気持ちを薄れさせていきましょう。
ポイントは、

その時の状況をきちんと書き出し良い出来事も悪い出来事も同じように思い出すこと
正確に思い出してみよう
②何を言われて
③自分がどう感じたのか
①ギャンブル好きでお金がなくなった時、いつもお金を借りに来た。
②いつも「次の給料日には必ず返す」と言っていた。
③実際返してくれたけれど、お金にルーズで将来に不安を感じたから別れた。

自分が損したわけじゃないし、ギャンブルしても仕事はしてた。今思えばあの頃は楽しかった…。ヨリを戻したい。
ここで考えてみてください。
●本当にいい事ばかりだったのか?
●嫌だった記憶が薄れていないか?
悪いところが1つもない人など存在しませんが、わかっているのに見えなくなくなるのが思い出の怖い所です。
この女性は「金銭問題が原因で将来が不安」という記憶が薄れていますよね。
それと比べ、良かった記憶「お金を返してくれた、仕事はしてる」はそのまま残っているためにヨリを戻したくなっているだけです。
これこそまさに、初めに書いた「今思っている感情にあわせて、人は無意識に過去の経験(記憶)を書き換える」にあてはまるのです。

嫌だった記憶は忘れないで!
正確に思い出す記録術②:思い出の品から記憶をたどる
●思い出の品は捨ててはいけない!きちんと取っておきましょう。
思い出が美化されるのは、正確に思い出すことができず、書き換えられているからでした。
ですから、自分の記憶にだけ頼っていては、元彼はどんどん美化され復縁したくなるのは当然の結果です。
そんな時には、思い出の品を見て具体的に元彼の良い所や、嫌な所を思い出していくことが重要です。

注意してほしいのは「思い出の品=良い思い出の品ではない」こと!
良い物だけ取っておき、悪い思い出の品を捨てては、何の意味もありません。
なぜなら「元彼を美化することなく現実を見つめなければいけない」から。
そのためには、むしろ悪い思い出の品を手元に置いておくほうが、思い出の美化を防ぐことができるでしょう。
元彼と寄りを戻したいあなた、自分の思い出が美化されていないか是非ためしてくださいね!
記録術をもっと知るなら▼

気になる人がいる?▼

この記事の参考資料