うつ病の症状はさまざまですがセロトニンやノルアドレナリンといった脳内ホルモンの量が減少することが原因と考えられています。
脳内ホルモンが減り幸福感が薄れたときに甘いもので幸せを感じるのは砂糖によりセロトニンやノルアドレナリンが分泌されたことが理由です。
しかしあまりに大量にホルモンが分泌されると今度は材料が不足してうつ病に近い状態になってしまいます。
砂糖の大量摂取は一時的な幸福感こそ得られるものの結果としてうつ病のようになるのです。
最近幸せを感じなくなった、夜眠れなくなったという方は砂糖の取りすぎに原因があるかもしれません。
本当にウツだと思ったら病院に行こう!
砂糖断ちで幸せに!砂糖とウツと不眠症
まずは甘い物で幸せを感じるメカニズムを紹介します。
ホルモンの説明
トリプトファン:大豆、牛乳、卵などに含まれる。必須アミノ酸
セロトニン:精神を安定させる作用がある・別名「幸せホルモン」
<図の説明>
砂糖を食べると血糖値が上がります。
すると今度は血糖値を下げようとインスリンが分泌されますね。
インスリンは血糖値を下げることで知られていますがセロトニンの材料となるトリプトファンを脳へ輸送する役目も持っています。
脳へ送られたトリプトファンが幸福ホルモンのセロトニンに変化する。
これが砂糖で幸せを感じる理由です。
ポイント
・脳に入ったトリプトファンは昼間セロトニンに合成される
・セロトニンには抗うつ作用があるために幸福を感じる事ができる
砂糖断ちで幸せに!砂糖とウツの関係性
ノルアドレナリンが不足するとうつ病みたいになるんだよ!
ホルモンの説明
・血糖値を上げる
・ストレスに対抗する
<図の説明>
1度に大量の砂糖を食べると血糖値は急上昇。
同時に身体は慌てて大量のインスリンを分泌します。
(健康な人でもインスリンを出しすぎて低血糖になることもあるので注意が必要です)
大量のインスリンで血糖値は急降下
(甘い物を食べた後に眠くなったり、まったりとやる気がなくなる感覚です)
そこで下がってしまった血糖値を上げる役目をするのがノルアドレナリンです。
ノルアドレナリンは血糖値を上げるだけではなくストレスなど不快な刺激に対抗するために分泌されるホルモンです。
注意しなければいけないのはノルアドレナリンは無限にはないということです。
血糖値を上げることに使ってしまったらストレスを感じた時には足りなくなって当然でしょう。
ノーガードの状態でストレスをうければ意欲低下、無気力、無関心といったウツ病に似た状態が起こります。
砂糖の血糖コントロールでノルアドレナリンを使ってしまうとストレスを受けた時に足りなくなってウツに似た状態になる
砂糖断ちで幸せに!砂糖と不眠の関係性
砂糖でメラトニンが不足すると不眠症になります
ホルモンの説明
・自然な眠りを誘う作用
・セロトニンから作られる
<図の説明>
血液中のトリプトファンはインスリンにより脳内へ運ばれ、明るい光の下でセロトニンに変化します。
幸せな気持ちになれるセロトニンは夜、暗い場所でメラトニンに変化します。
(ちなみにトリプトファンは大豆、乳製品、肉などたんぱく質に多く含まれますが人間の体内では作れないので不足しがちなアミノ酸です)
夜眠ろうとしたとき、熟睡するにはメラトニンが必要です。
しかし日中、砂糖を大量に食べるとセロトニンを消費しているため材料不足でメラトニンを作り出すことができません。
結果、不眠や中途覚醒などの症状が現れてしまうのです。
(トリプトファンが不足すればメラトニンもセロトニンも作り出すことができません)
つまり砂糖を大量に摂取することで不眠だけでなく不安や感情のコントロールもうまくできなくなるといえるのです。
・砂糖はインスリンの分泌を促しトリプトファンを脳内へ輸送
・トリプトファンが不足するとメラトニンが作れず不眠になる
最後に
うつ病の薬には「SNRI」というものがあります。
これはセロトニンとノルアドレナリンが細胞内へ吸収されようとするのを妨害し脳内の濃度を上げようとする薬です。
セロトニンとノルアドレナリンは砂糖で不足してしまうホルモンでした。
どちらも本当に必要なときに使えるように「砂糖は幸せのムダ使い」「幸せの前借」と考え甘い物の大量摂取は控えることをおすすめします。
この記事のまとめ
セロトニンには抗うつ作用があるため幸福を感じる事ができる
②血糖コントロールにノルアドレナリンを使ってしまうとストレスを受けた時に足りなくなりうつ状態になりやすい③砂糖はインスリンの分泌を促すことでトリプトファンを脳内へ輸送トリプトファンが不足すると夜メラトニンが作れず不眠になる